不動産屋とバスケの間に時間があったので漫画喫茶に立ち寄りました。よって漫画レビュー。を始める前に、一応ベルセルクの35巻を読みました。今回は10分以上ちゃんとかかりました。そしてとても面白かった。相変わらず異形のものどもが繁殖しすぎ感があって、相変わらずガッツがカッコよかったです。
「つゆだく」朔ユキ蔵 全10巻
昔読んだ東京グラフィティのヴィレッジヴァンガード店員オススメコーナーで紹介されたので読んでみることに。完全なるエロバカ漫画です。ストーリーは(果たしてストーリーと呼べるのか)、特技がオナニーというエロ猿大学生がお台場のテレビ局の「特別技術職」につく。この仕事は、スキャンダルを恐れてセックスできない芸能人を性的に満足させるという、ようは芸能人と局内でヤリまくるというとんでもないものである。しかし、条件は絶対イってはならない、さもなくば金玉を切り取られる(的なこと)。もう分けわかんないよね。こういう仕事が存在すること自体がスキャンダルものというツッコミや、なぜイッてはならないかもよく説明してないあたりも、もうバカバカしさに流されてよんでしまう。
しかも途中からなんかバトル漫画でよく見られる主人公のレベルアップ方式が出てくる。ラスボス(主人公が大好きな芸能界トップアイドル。彼女は、脱ごうとする、もしくは肌を見せるだけで各界の天才たちもが昇天するらしい)を倒す(とヤル)ために、修行(男のセックステク/実際のモノ自体を素晴らしく向上させてくる、内股に☆がついている女を探しだす。)に励む(とヤル)。もうアホらしくてなんも言えねぇ。
で、思ったんだけど、この漫画の存在自体が、マツコデラックスが言ってた、ダメ男の女に対する悲しきプライドの象徴だよね。アイドルとか女子アナとかをオカズに自慰に耽る男共がどれぐらいいるかは知らないけど、この漫画を見る限り、そうとうだよね。完全に勝ち組街道驀進中の女性をオカズにすることによって、ちょっとだけ優越感に浸る。悲しすぎるよ。自分のポコチン握って画面に向かって強気な言葉を発することでしかお前らは自分のプライドを保てないのか。男の悲しき性なのか...。
そんなことを思いながらよんでました。実際3巻辺りをすぎるとキャラも解らなくなり、ストーリーもどうでもよくなった来るので、こういう考えしか浮かびません。でも、エロバカが好きなら(なんだかんだでおれは結構すき笑)暇つぶしぐらいにはいいです。
評価:5/10
「3月のライオン」羽海野チカ 現4巻まで、ヤングアニマル連載中
「ハチミツとクローバー」の作者の、現連載。孤独な高校生プロ将棋棋士と、下町の三姉妹との交流を描いている作品。なんかこれだけを読むと大したことない感じがしますが、この漫画なかなか素晴らしいです。幾つか点があります。
1。複雑な人間描写
幼い頃に実の家族を亡くし、養子として入ったプロ棋士の家の家族とも最終的には距離を置き一人暮らしをしている主人公。そして、理由は明らかになってないが父母祖母をなくしている、十歳ずつぐらい離れている(4、14、24ぐらいなのかな?)3姉妹とおじいちゃん。そして彼、彼女らをとりまく人達のやり取り。これが本当に上手に描かれています。思わず心が温まってしまうエピソードから、キャラクターの悲しさに心打たれてしまうエピソートまで、ユーモアも時折混ぜながら、丁寧に描いてます。これらが全て「将棋」を取り巻いているわけだからすごい。
2。漫画そのもののタッチ
例えば台詞がきれいだとか。しかも、その台詞の配置がいいだとか。キャラクターの言葉と心の想いを交互に読ませるテクニックとか。そしてその台詞が書かれている背景とか。そして全体的なコマ割りとか。もう、これは相当なセンスの持ち主です。自分の世界観を持っていてそれを伝える力をもっている作家しかできない芸当です。だってこの漫画よんでて、おれ、ぜったい一度は隅田川沿いの豊洲/月島エリアに住もうって思ったもん。それだけ美しく、それだけ影響されました。
これはかなりお勧めします。単行本買っちゃおうかな。
評価:9/10
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